ベテラン会計士のブログ
不正調査
私は、5年ほど前に公認不正検査士という資格を取りました。この資格は、日本では、まだまだ認知されているレベルではありませんが、米国が発祥の資格制度で、日本では、数百人がこの資格を持っています。
不正というのは、「まさかこの人が」という人が犯してしまうことが多いという印象です。信頼しているので、安心して任せたりする油断がその「機会」を与えてしまっているのだと考えられます。
不正発生の理論で有名なのが、米国の犯罪学者のクレッシーが提唱した「不正のトライアングル」というものです。
不正は、以下の3つが揃った環境で起こるとされています。
1.動機・プレッシャー(ex.プライベートで金銭的なトラブルが発生している)
2.機会(ex.現金管理をしているのが自分だけで誰のチェックも入っていない)
3.正当化(ex.給料が自分の能力よりも安い)
なるほど、と思わせる状況だと思います。
では、不正はどうすれば防止できるのか?会社ができる最も良い方法は、「機会」を減らすことでしょう。
この「機会」を減らすための方策として非常に有効なのが「内部統制の整備」と考えられます。
上場企業に限らず、不正発生防止のための内部統制整備を検討されることを強く勧めます。
内部統制をしっかりと整備することで、従業員を犯罪者にしなくて済むわけですからね。