でんた丸ブログ
暗号資産に関する課税ルール
メルカリでビットコインによる決済が可能になり、暗号資産の利便性が高まる一方で、暗号資産に関する日本での課税ルールは、国民が暗号資産にアクセスしたり利用したりすることを躊躇させる内容であると批判されることがあります。暗号資産に係る所得に対する日本の税率が高いため、海外へ移住する個人投資家も現れています。そこで、今回は日本での暗号資産に関する課税ルールを取り上げ、次回は暗号資産に関する課税ルールの国際比較を行います。
1.個人の暗号資産取引による所得の区分
暗号資産取引により生じた損益は、邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益とされ、原則として雑所得(所得税法35条1項、2項2号)に区分されます。但し、その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超え、かつ当該取引に係る帳簿書類の保存がある場合には、原則として事業所得(同法27条)に区分されます。いずれの場合も、総合課税の対象となるため、超過累進税率(住民税込みで最高55%)が適用されます。
※ 国税庁は、暗号資産を支払手段つまり資産の値上がり益が生じない資産として位置づけており、譲渡所得(所得税法33条1項)の基因となる「資産」には該当しないとの見解を採用しています(国税庁「雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説」参照)。
なお、暗号資産同士の交換を行った場合にも、課税が発生します(この点は法人が当該交換を行った場合も同様です)。つまり、保有するビットコインをイーサリアムに交換した場合であれば、イーサリアムをビットコインで購入したこととなり、当該ビットコインの含み益に対して課税されます。
以上のように、暗号資産取引に関しては、上場株式等に係る譲渡所得等の金額に対する課税と比較して税負担が重いため、上場株式等の場合と平仄を合わせる形で税率20%の申告分離課税等への税制改正を要望する向きがあります。
2. 法人が暗号資産を保有している場合
法人が事業年度終了の時において有する暗号資産(活発な市場が存在する暗号資産に限り、かつ特定自己発行暗号資産を除く。国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」参照。)につき、時価法による評価換えを行い、その際に生じた評価損益をその事業年度の益金の額又は損金の額に算入する必要があります(法人税法61条2項1号、3項)。そして翌事業年度には、この評価損益につき、洗替処理を実施します。
3. 消費税
消費税法上、支払手段及びこれに類するものの譲渡は、非課税とされているところ、国内の暗号資産交換業者を通じた暗号資産の譲渡は、この支払手段等の譲渡に当たり消費税は非課税となります(消費税法6条1項・同法別表第2第2号・同施行令9条4項)。
また、課税売上割合の算出に当たっては、支払手段等に該当する当該暗号資産の譲渡につき、非課税売上高に含めて計算する必要はありません(消費税法30条6項・同施行令48条2項1号)。