でんた丸ブログ

契約にリースが含まれているか否か(その3)

前回と同様に、サプライヤーが、①使用期間全体を通じて資産を他の資産に代替する実質上の能力を有し、かつ、②資産を代替する権利の行使により経済的利益を享受する場合には、当該資産は「特定された資産」に該当せず、当該契約にはリースが含まれないことになる、という規範(会計基準第6項)に関連する具体例をみてみます。

【「資産が特定されず、契約にリースが含まれていない」と判断される具体例】

1.顧客A社は、3年間にわたり、自社の商品を販売するために空港内の搭乗エリアにある区画を使用する契約を、空港運営会社であるサプライヤーB社と締結した。A社が使用できる面積及び割り当てられた区画は、契約で指定されている。

2.空港内には、利用可能で契約に定める区画の仕様を満たす多くの区画が存在する。B社は、A社に割り当てられた区画を使用期間中いつでも変更する権利を有しており、状況変化に対応するようにA社に割り当てた区画を変更することで、空港内の搭乗エリアにおける区画を最も有効に利用でき、経済的利益を得ることとなる。

3.A社は、商品を販売するために、容易に移動可能な売店(A社が所有)を使用することが求められている。A社に割り当てた区画の変更に関連するB社が負担するコストは限定的であるため、区画の変更によるB社の経済的利益はコストを上回ると見込まれる。

【「資産が特定される」と判断される具体例】

・上記2と3の太字部分を次のとおり変更すると、当該資産が「特定された資産」に該当するという結論に変わります。

すなわち、

2.B社は、A社の移転から生じるコストを全額負担する必要がある。

3.B社が当該移転コストを上回る経済的利益を享受することができるのは、B社が新たな大口テナントと小売エリア内の区画を使用する契約を締結したときのみであり、A社との契約時点において、このような状況が生じる可能性は高くないことが見込まれる。

上記の2つの例はともに、A社が外観上、契約で指定され割り当てられた区画で事業をしているという点において変わりがありません。しかしながら、B社が、冒頭に述べた「②資産を代替する権利の行使により経済的利益を享受する」といえるのかという経済的な判断により、当該資産が「特定された資産」に該当するか否かという結論が左右され、ひいてはリース会計基準が適用されるかどうかに影響することになります。

 


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