でんた丸ブログ

君たちはどう生きるか (3)

本の第4章の叔父さんのノートの題名は、「人間であるからには―貧乏ということについて―」です。第4章の叙述からは、東京都文京区小石川付近の昭和初期の風景を窺い知ることができます。コペル君が通う中学校(当時は小学校までが義務教育で、また中学生は5年生までいました。)の生徒の親の職業としては、有名な実業家、役人、大学教授、医者、弁護士などが多い中で、豆腐や油揚げを家内工業として生産し販売するという自営業の親を持つ同級生(浦川君)の経済状況が描かれ、経済格差が問題として取り上げられています。全ての人が人間らしく生きていくことがまだできていないという問題と言い換えられています。

この同級生は、家の手伝いをすることで既に生産者の側面があります。一方で、コペル君は、何ら生産せず消費ばかりする人にすぎないが、自分では気がつかないうちに、ほかの点で、ある大きなものを日々生み出していると記されています。そして、その答えをコペル君自身で見つけるようにとされています。

話は変わりますが、公認会計士は、国家の公認会計士制度を支え、信頼という目に見えないものを生産しています。


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