でんた丸ブログ

君たちはどう生きるか (2)

『君たちはどう生きるか』という映画(上映時間124分)は、2023年7月に日本で公開されました。アメリカでは『THE BOY AND THE HERON』というタイトルで公開され、第96回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞しました。HERONとは、サギのことで、この映画は映画館で上映中です。そこで、ここでは、前回に引き続き、本の方を紹介したいと思います。

第2章の叔父さんのノートには、「真実の経験」という題名がつけられています。多様な経験を通して、自ら感じたことや考えたことを大切にし、借り物でない自らの思想を形成していくことの重要性が説かれています。人間の立派さを自分の魂で知り、心底からそのような立派な人間になりたいと思わなければ、「立派そうに見える人」になるばかりだ、と記されています。

第3章の叔父さんのノートの題名は、「人間の結びつきについて―なお、本当の発見とはどんなものか―」です。本当の発見は人類初のものである必要がある。その発見をするためには、現在の学問の頂上にのぼり切り、その頂上で仕事をする必要があると説かれています。また、現在の学問の頂上にのぼり切る過程でも、自分の疑問をどこまでも追っていく精神を失ってはいけないとされています。第2章で書かれていたように、多様な経験を通して、自ら感じたことや考えたことを大切にし、そこで生じた疑問をどこまでも追っていくということでしょう。


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