でんた丸ブログ
公認会計士と公益
2023年12月10日(日)に公認会計士試験短答式試験が実施されました。
2022年5月に公認会計士法が改正され、2023年4月1日より施行されていますが、第1条の「公認会計士の使命」や第2条の「公認会計士の業務」の規定が改正されたわけではありません。2021年の公認会計士試験短答式試験では、以下の記述の正誤が問われました。「公認会計士の使命は、監査証明業務及び非監査証明業務を通じて、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することである。」
答えは「〇」です。ここで「非監査証明業務」とは、公認会計士の名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の調製をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずることを業とすることを指します(公認会計士法2条2項)。監査証明業務以外のこれらの業務(監査証明業務とは異なり、公認会計士の独占業務ではありません。)をする場合であっても、最終的には「国民経済の健全な発展に寄与する」ことが公認会計士には求められているのです。換言すれば、公認会計士としては、国民経済の健全な発展に寄与するとは思えないにもかかわらず、会社等の事業活動、投資者及び債権者の保護を図ることがあってはならない、ということです。