でんた丸ブログ
代償分割と譲渡所得
前回は、代償分割と相続税の課税価格の計算についてみました。今回は、代償分割と譲渡所得についてみてみます。
1.代償財産として交付する財産が現金の場合
現金は譲渡所得を発生させる資産ではないため、譲渡所得の問題は生じません。
2.代償財産として交付する財産が、現金以外の不動産や株式などの場合
遺産の代償分割により負担した債務を履行するための資産の移転として、相続人固有の不動産や株式などを交付することになり、贈与とはなりません。従って、その履行をした人は、その履行の時における時価によりその資産を譲渡したとして、譲渡所得が発生する場合には所得税が課されます。
(注)代償財産の交付を受けた人に贈与税がかからないようにするために、代償分割を選択した場合、遺産分割協議書には「相続人甲は、・・・記載の遺産を取得する代償として、乙に対し、金○○円を令和●年●月●日までに支払うものとする。」等、当該財産の交付が贈与ではなく代償債務の履行としてなされることを明記する必要がありますのでご注意ください。