でんた丸ブログ
リース会計基準の変遷
新リース会計基準が、ASBJから2024年9月に公表され、上場企業及び会社法上の大会社への適用が義務付けられることとなりました。原則的な適用時期は、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首からですが、2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首からの早期適用も可能です。
そこで今回はまず、リース会計基準が、これまでどのように変遷してきたかをみます。なお、以下の基準改正の年月は、リース会計基準が公表された時点です。
元来、リース取引は、その法的形式に従い賃貸借取引として処理されてきたため、資産・負債は、リースのどの類型であってもオフバランスでした。
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【1993年6月の基準改正】
リース取引をファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分類し、前者については、その経済的実態に着目し、売買処理を採用しました。
ただし、所有権移転外ファイナンス・リース取引については、一定の注記を要件として賃貸借処理(以下「例外処理」という。)が例外的に認められました。
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代替的な処理が容認される理由としての本来の姿は、異なった経済的実態に対して、代替的な処理である異なる会計処理を適用することで、事実をより適切に伝えられるようにするためというものです。
しかしながら、大半の企業において、従来どおりの会計処理を行えば済む例外処理の簡便さ故に、所有権移転外ファイナンス・リース取引を賃貸借処理し、経済的実態が異ならないのに代替的な処理を選択するという特異な状況が生じていました。
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【2007年3月の基準改正】
このような特異な状況が生じないよう、例外処理は廃止されました。
これにより当時のIFRS「リース」と平仄が合うことになりました。
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2016年1月にIFRS第16号「リース」が公表され、借手において、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の区別をしない単一の使用権モデルが採用されました。
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【2024年9月の基準改正】
現行のIFRS「リース」と平仄を合わせる改正がなされ、以下の2点が実現しました。
①使用権を支配する権利は概念フレームワークにおける「資産」の定義を満たすため、借手は使用権資産を計上する。
②使用の有無にかかわらず、リース期間において、借手はリース料の支払い義務を負うため、借手はリース負債を計上する。
このように、今まで賃貸借処理がなされ、貸借対照表上オフバランスだったリースが、貸借対照表上オンバランスされることになりました。
新リース会計基準は、現行のIFRS「リース」の主要な定めのみを取り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ国際的な比較可能性を大きく損なわせないような基準となっています。