でんた丸ブログ

みなし贈与財産 (その2)

前回は被相続人から直接、相続人等に対しみなし贈与がなされる場合についてご紹介しました。

今回は、同族会社を通じてみなし贈与がなされる場合をご紹介します。

例えば、被相続人が同族会社に対して貸付金を有していた場合に、当該貸付金を相続税の課税対象から除くために、相続開始前に被相続人が当該貸付金を免除することがあります。この場合、当該会社に債務免除益が計上され、原則として法人税等が課されることとなりますが、同時に当該会社の株価が上昇します。そうすると、当該会社の株主に免除者以外の者がいる場合、免除時に免除者から当該会社の株主に対して贈与があったとみなされ、その株主に当該株価上昇分に相当する金額について贈与税が課されることになります。

相続税法基本通達9-2では、このような場合を含め、みなし贈与が発生する場合として以下の例示をしています。

① 会社に対し無償で財産の提供があった場合

② 時価より著しく低い価額で現物出資があった場合

③ 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合

④ 会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡があった場合

みなし贈与については、みなし贈与が発生した年度に課税当局から指摘されるというよりも、相続税の調査を通じてみなし贈与の事実が判明し、課税されるケースが実務上は多いようですのでご注意ください。

※ 無意識に発生しているみなし贈与財産は、①暦年課税の場合、相続開始前7年以内に発生したものについて相続税の課税価格に加算され、②相続時精算課税の場合、適用後は相続開始より相当前の期間になされた贈与であっても相続税の課税価格の加算対象になります。


このページのトップへ