でんた丸ブログ
縦串と横串
現横浜市長である山中竹春氏は、市長となる前は、横浜市立大学の医学部教授でしたが、専門は、データサイエンスです。データサイエンスは、統計学とコンピューターによる計算(情報学)の2要素から成り立っている学問であるところ、医学部・経済学部・工学部などに、データサイエンスの1要素である統計学を専門とする研究者がそれぞれ所属して、教育・研究を行っているというのが従来からの日本の現状でした。統計学という方法論を専門とする統計学部が米国には従来からある一方で、日本ではそのような学部は今までなかったのです。しかし、今日ではIT人材不足を懸念して、2017年の滋賀大学におけるデータサイエンス学部の開設を皮切りに、様々な大学でデータサイエンスの専門学部が誕生しています。
2022年度の情報処理推進機構の調査によると、日本企業では、ITに見識のある役員の割合が3割未満というグループが全体の7割と大多数を占めており、ITに見識のある役員の割合が5割合以上というグループは全体の2割未満とかなり少数派です。一方、米国企業では、ITに見識のある役員の割合が5割合以上というグループが、全体の4割も占めており、ITに見識のある役員の割合が3割未満というグループと同じ位あります。
これから経済において高い生産性が求められる中では、AIを活用して、信頼できるデータ分析に基づいて意思決定のできる経営者の重要性が益々高くなります。個別産業分野を縦串とすれば、データサイエンス等の分野横断的な方法論を武器にうまく横串を通すことのできる人材の価値が今まで以上に高まっていくでしょう。